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転職スカウトの2つのメリットを理解する


前回の「転職スカウトの基本を理解する」で、転職スカウトサービスの基本と、その際に人材紹介会社を使うメリットについて解説しました。そこで今回は、転職スカウトサービスを利用するメリットについて説明したいと思います。
メリットの1つ目は、自分に合う人材紹介会社を効果的・効率的に探せるということでしょう。
転職したいので人材紹介会社を利用しようと思っても、世の中にどんな人材紹介会社があるのか、また、それぞれがどんな特色を持ち、自分にマッチするのかどうかということは、よく分からないのが普通でしょう。

■人材紹介会社の良しあしをスカウトで知る

だからといって、いきなり自分から人材紹介会社の門をたたくのは、何となく抵抗があるでしょう。広告などを見ると「弊社はXX業界に強い」なんてうたう人材紹介会社もあるようですが、本当にそうかは、部外者からは分かりにくいものです。
そこで転職スカウトサービスが登場するわけです。転職スカウトサービスに登録しておけば、あなたが登録した内容に興味があれば、複数の人材紹介会社からスカウトメールが送られてくるはずです。そしてその中から、自分自身に合うと思った人材紹介会社を選択すればいいのです。

■人材紹介会社を選択する

中途採用において、企業は皆さん(転職希望者)を選考します。それと同様に、あなたが人材紹介会社を選考(書類選考・面接)すればいいのです。人材紹介会社が皆さんにスカウトメールを送るという行為は、いわば、「あなたが利用する人材紹介会社に立候補します」といった「応募」のようなものです。送られてきたスカウトメールの中から、これだと思うものを選んで(これで書類選考通過)、返信をします。その後実際に人材紹介会社のコンサルタントと会って(面接)、最終的に利用する会社を選択します。
自分でどんな人材紹介会社があるのかを調べたり、自分から連絡したり登録したりといった手間も省けますし、ご自身のプロフィール(匿名ですが)を見たうえでスカウトメールを送ってくる企業ばかりですので、自分から人材紹介会社を実際に訪ねるよりも、自分にマッチした企業と出合える確率は高くなると思います。

■人材紹介会社を利用する意外なメリット

転職スカウトサービスを利用する意外な第2のメリットは、特殊な案件数の少ない求人を効率良く探せるというものです。
特殊というのは、例えば、

(1)勤務地が特殊というか広い範囲を網羅している:例えば沖縄・北海道など
(2)求める経験が特殊:オープンソース研究の経験者、データセンター立ち上げの経験者など
 (3)ポジションが特殊:事業会社内の情報システム企画、企業内の教育研修担当など

といった求人は、なかなか自分だけで探すには情報も少なく難しいものです。
そこで転職スカウトサービスには、こんな条件で仕事を探していると、特定の条件を記述したうえで登録するのです。それを読んだ人材紹介会社のうち、その特殊な案件を知っているところがあれば連絡をしてくるでしょう。この場合は、1回登録しただけではなかなか人材紹介会社が案件を見つけられないこともありますので、何度か継続して登録し続けることが必要でしょう。登録を継続しておけば、人材紹介会社がその特殊な求人情報を入手した時点で登録者の中からマッチする方を探し出すので、お声が掛かる可能性は高くなると思います。

■人材紹介会社の選び方

転職スカウトサービスのメリットをご理解いただけたところで、次にスカウトメールをもらった人材紹介会社の中から、どのようにして利用する人材紹介会社を選別すればよいのかを、以下の2点についてご説明いたします。

(1)スカウトメールの選別方法(どの人材紹介会社の人と会うか)
(2)実際に人材紹介会社の人と会ったときの見極め方(どの人材紹介会社を最終的に利用するのか)

転職スカウトサービスに登録すると、先ほども述べたように、さまざまな人材紹介会社からスカウトメールが届くと思います。そのメール内容もさまざまでしょう。それらのどれに返信するか迷ってしまうことも多そうです。その場合の判断ポイントとして、以下の4つがあると思います。

(ア)どんな人材紹介会社なのか
(イ)スカウトメールを送ってくれたキャリアコンサルタントはどんな人か
(ウ)あなた向けのメッセージは的確か
(エ)興味の持てる求人情報があるか

これら4つのうち、すべてではなく、何か1つでも興味がわく要素があれば、積極的に返信をしてもよいのではないでしょうか。また、転職スカウトサービスを利用できるWebサイトには、各人材紹介会社の会社概要(人数、場所、創立年、強い分野など)が掲載されているはずですが、それは判断材料としては参考程度にするのがよいと思います。

結局、企業よりは担当してくれるキャリアコンサルタントの技量・経験がよっぽど重要です。人材紹介会社選びは会社の規模などだけでは判断できないのです。大きな人材紹介会社には多くのキャリアコンサルタントがいるからといって、自分に合うコンサルタントもいるだろうと判断するのは早計です。規模が小さい会社であっても、経験豊富なコンサルタントはいるものです。

有名なタレントなどを使った広告などの「イメージ」だけでの判断は禁物です。ちなみに筆者は昔、社内SEからコンサルタントファームに転職しましたが、その際にお世話になった人材紹介会社はわずか2人のキャリアコンサルタントしかいませんでした。それでも特定の企業にしっかりパイプを持ち、的確なサポートをしていただきました。

■キャリアコンサルタントはどんな人か

では、どんなキャリアコンサルタントかは、どう見分けることができるのでしょうか。
あなた専任のコンサルタントとして、その方の判断でキャリアの提案や企業/求人の提案をあなたにするでしょうから、どういう人物かを判断することはとても重要なのです。
スカウトメールの中に、ちょっとした自己紹介文が付いてくることが多いと思います。そういった内容も判断材料の1つとなります。特定の業界での勤務経験があるとか、特定の業界への紹介実績が豊富であるとかです。
経験・技量を持っているコンサルタントであればよいのですが、そのコンサルタントがIT業界への知識が乏しかったり、あなたの経験や希望を正しく理解できなければ、的確な提案ができず、いくらその人材紹介会社がたくさん求人案件を持っていたとしても、何の意味もないのです。

■あなた向けのコメントは的確か

スカウトメールの中では、あなたが登録したプロフィールや希望のコメントに対して、コンサルタントなりの見解(こんなキャリアが考えられます、こんな企業が考えられますなど)をメッセージとして書いてくることもあります。それは大きな判断材料となるはずです。
これは人材紹介会社がちゃんとあなたのプロフィールを見たうえで、「本気で」スカウトメールを出しているかの判断材料となるからです。
スカウトメールの中には、不特定多数の誰にでも送っているのではと思われる定型文っぽい、用意されたテンプレートから作成したようなメールもあります。そうした場合、ひょっとしたらあなたのプロフィールをきちんと読んでくれていないかもしれません。
一方で、例えば「私は今後上流工程にチャレンジしてみたいと思います」といったコメントを書くと、「いままでのこんな経験を生かせば、十分上流にチャレンジできますよ」「現時点ではすぐに上流というのは無理かもしれませんが、こういうステップを踏めば将来可能かと思います」というように、的確にメールを返してくるケースもあります。
そのコメントが自分にとって的確であればいうことはないのですが、たとえ100%的確でなくとも、一生懸命自分のことを考えてくれそうだな、ぐらいの判断材料になるかもしれません。

■興味の持てる求人情報があるか、ありそうか

スカウトメールの中には、具体的な企業名が入った求人情報を載せてくる場合もあります。
特殊なスキルをお持ちだったり、限定的な希望をお持ちの方にとっては、どういった求人を人材紹介会社が持っているのかは、判断材料の1つとなると思います。前から興味がある企業や自分の希望にかなり近い求人をずばりスカウトメールに載せてきた場合には、この会社なら自分の希望をよく分かってくれるのでは、といった判断もできます。
ただ、IT業界の場合は、どんな職種であれ、かなり多くの企業/求人があります。スカウトメールではすべてを載せることはできませんし、どういうキャリアを目指すかによって、転職をお勧めする企業も変わってきますので、一般的には求人情報そのものはあまり載せないことの方が多いのではないかと思います。
そのため、求人情報がスカウトメールに載っている/載っていないということだけで、その人材紹介会社が求人案件を数多く持っている/持っていないという判断はできませんので、前述の会社内容と同じく、参考程度の判断材料にしておけばよいと思います。
以上の4つのポイントで、気になるスカウトメールを選別して、ぜひ積極的に人材紹介会社に返信をしてみてください。
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